仕組み化に取り組みたい。しかし、何から手をつければいいのか分からない。
そう感じている経営者は、決して少なくありません。
マニュアルから始めるべきか、会議のルールから始めるべきか、評価制度から始めるべきか。
順番を間違えると、せっかく着手した仕組み化が、途中でちぐはぐになってしまいます。
この記事では、仕組み化に着手する優先順位について、実例をもとにお伝えします。
仕組み化は、経営計画から始めなければ機能しない
結論から言います。
仕組み化に着手する優先順位は、経営計画・事業戦略が最初です。
その次に、現在と過去の明文化、組織と役割定義・研修、そして定例的な会議へと進みます。
順番を間違えると、途中で作り直しになったり、ルールだけが形として残り、成長が止まってしまったりします。
まずは、なぜこの順番でなければならないのかを見ていきます。
順番を間違えると、ルールだけが残る
順番を間違えたことで、非効率になった実例があります。
ある会社では、全社の戦略が決まらないまま、ルールを作ってしまいました。
戦略がないため、どこまでのルールを作ればいいのか、
その線引きができないまま進めてしまったのです。
その会社には、経営計画自体はありました。
しかし、毎年未達が続き、社員の採用と離職が同率で起こり続けていました。
経営者は、「ルールがあれば会社が伸びるのではないか」と考えていました。
しかし、気づいたときには、そのルールすら守られなくなっていました。
ルールだけが形として残り、会社の成長は止まってしまっていたのです。
これは、戦略という土台がないまま、個別のルールという枝葉から手をつけてしまった典型的な例です。
経営計画は、旅行の行き先を決めることと同じ
行き先を決めずに、旅行の準備をすることはできません。
経営計画が決まっていない状態は、これと同じです。
行き先が決まらなければ、何を準備すればいいのか、どのルートで進むべきか、すべてがあやふやになります。
実際に、顧問先を見ていても、経営計画が決まった会社は、成長速度が明らかに加速しています。
正しい順番で進めた会社は、浸透のスピードも速い
正しい順番で着手した顧問先の中には、比較的早く効果を実感できた会社もあります。
早いケースでは、
課題ワークを行った月から、仕組みを社内に浸透させ始めます。
行動カレンダーの作成を依頼すると、翌月にはすでに現場まで周知されている、という顧問先もあります。
順番を守ることは大切ですが、それだけでは十分ではありません。
作ったものを現場に落とし込んでいく強さとスピードも、同じくらい重要です。
正しい順番で土台を作った会社ほど、この落とし込みのスピードが速くなる傾向があります。
土台が固まっているからこそ、迷いなく現場に伝えられるからです。
初回対応やリピート施策は、土台を作ってから
要点:売上に直結する施策ほど、先に土台を固めてから着手したほうが、結果的に早く効果が出ます。
初回対応、リピート率、離脱防止。
これらは、売上に直結するため、多くの経営者がすぐにでも手をつけたくなる領域です。
しかし、これらの施策も、経営計画や役割の土台ができてから進めるのがベストです。
土台がないまま個別の施策を先行させると、途中でちぐはぐになってしまいます。
急いでいるときほど、遠回りに見える順番のほうが、結果的に早く進みます。
仕組み化の優先順位ランキング
これまでの内容を、優先順位として整理すると、次のようになります。
・第一位:経営計画・事業の方向性
・第二位:組織図の再考
・第三位:役割と責任の範囲の明確化
・それ以降:会議の型、マニュアル、評価制度などは、状況に応じて臨機応変に
上位の3つが固まっていないまま、
それ以降の施策に着手すると、土台がないまま枝葉だけが増えていく状態になります。
株式会社バリュー経営では、
経営の仕組み化を「計画化・明文化・組織化・定例化」という4つの段階で捉えていますが、
この優先順位は、まさにこの流れに沿ったものです。
こんな状態なら、相談を検討すべき目安
以下に複数当てはまる場合、自社だけでの整理には限界が来ている可能性があります。
・ルールやマニュアルを作ったが、経営計画との整合性が取れていない
・何から着手すればいいか、優先順位を決められずにいる
・過去に手当たり次第に施策を導入して、非効率になった経験がある
・現場への浸透に、想定より時間がかかっている
一つでも心当たりがあれば、一度、外部の視点で現状を整理してみることをおすすめします。
よくある質問
Q. 経営計画がまだ曖昧な状態でも、仕組み化に着手していいですか。
A. 経営計画の完成度を100%にしてから着手する必要はありませんが、方向性そのものが定まっていないまま個別のルールを作ると、後で作り直しになりやすいため注意が必要です。
Q. マニュアルや評価制度は、いつ着手すればいいですか。
A. 経営計画、組織図、役割と責任の範囲が固まった後が目安です。土台がないまま着手すると、後から役割の変更に合わせて作り直すことになりがちです。
Q. 売上に直結する初回対応やリピート施策を、先に着手したい場合はどうすればいいですか。
A. 気持ちは理解できますが、土台を作ってから着手するほうが、結果的に早く、安定した効果につながります。
Q. 現場への浸透に時間がかかっています。何が原因でしょうか。
A. 土台となる経営計画や役割定義が曖昧なまま進めていると、現場に伝える内容自体がぶれてしまい、浸透に時間がかかる傾向があります。
Q. 年商1億円未満の会社でも、この優先順位は当てはまりますか。
A. 当てはまります。規模の大小にかかわらず、経営計画という土台がなければ、その先の仕組み化は積み上がっていきません。
■まとめ
仕組み化に着手する優先順位は、経営計画・事業戦略が最初です。
続いて、現在と過去の明文化、組織と役割定義・研修、定例的な会議へと進みます。
順番を間違えると、ルールだけが残り、成長が止まってしまうことがあります。
逆に、正しい順番で土台を固めた会社は、現場への浸透スピードも早くなります。
何から手をつければいいか迷っているなら、
まずは経営計画の方向性から、整理してみることをおすすめします。
「仕組み化」で会社を変える。
経営者の自由と、組織の自立を届ける。
「社長がいなくても回り、利益が残り、社員が自立する会社へ」
株式会社バリュー経営 山縣正二郎
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