仕組み化に取り組みたいが、自力でやるべきか、外部に頼むべきか、判断がつかない。
そう感じている経営者は多いと思います。
コンサルや講座には費用がかかります。
しかし、自力で進めれば、費用はかからない代わりに、時間というコストがかかります。
この記事では、自力で仕組み化を試みた期間と、
外部の力を借りてからの変化を比較しながら、判断の分かれ目を整理します。
自力か外部か、答えは「時間の価値」をどう見るかで決まる
結論から言います。
自力での仕組み化は、費用はかかりませんが、時間という見えないコストが発生します。
外部委託は、費用がかかる代わりに、時間を大きく圧縮できます。
どちらが正解ということではなく、自社の状況によって、選ぶべき答えは変わります。
まずは、実際にあった実例から見ていきます。
自力で仕組み化を試みた、12カ月の実話
要点:資料は増えても、具体的に何をすればいいかが分からないまま、時間だけが過ぎることがあります。
戦略作成、経営計画書の作成、「組織とは何か」という部分。
この領域を、自力でつかもうとした時期があります。
外部に頼むのがもったいないと感じ、ネット検索、本、動画で、なんとなく理解しようとしていました。
この状態が、12カ月ほど続きました。
結果として、印刷した資料の枚数は増えました。
しかし、具体的に何をすればいいのかが、最後まで分からないまま、資料作成そのもので終わってしまいました。
自力の隠れたコストは、書籍代やセミナー代ではない
要点:一番大きいコストは、社長自身の時間であり、理論だけでは越えられない実践の壁があります。
自力で試行錯誤する場合、書籍代やセミナー代といった目に見える出費よりも、
社長自身の時間のほうが、はるかに大きなコストになります。
以前、格闘技の技の一つに、発勁という技があると知りました。
中でも寸勁、いわゆるワンインチパンチと呼ばれるものです。
指の長さほどの距離から放つパンチで、
それだけの距離で人が吹き飛ぶわけがない、と思い、
本を読み、漫画を読み、動画も見て理解しようとしました。
が、勿論、自分ではできるわけもなく、
プロに習いに行きました。
ちなみに受けてみた結果、
見事に後ろへ10歩ほど下がってしまいました。
理論は何となく分かっても、最後のニュアンスが分からず、実際には自分ではできないのです。
組織図も、同じでした。
自力で作ってみましたが、後になって振り返ると、肝の部分がまったく違っていました。
ちなみに、
その後、多くのクライアント企業や経営計画作成合宿で、様々な会社の組織図を見てきましたが、
初見で「完璧」と思える組織図には、今まで一度も出会ったことがありません。
それだけ、組織図の理解は難しいものです。
外部に頼んで変わったのは、ゴールが見えたこと
要点:ゴールが見えると、経営者の進み方そのものが変わり、速度も精度も上がります。
外部の力を借りたことで、明確に変わったことがあります。ゴールが見えたことです。
経営者は、ゴールが見えると、進んでいけます。
進み方が定まれば、当然、精度も速度も上がっていきます。
また、外部の力を借りることで、幹部人材と直接話してもらう機会も生まれます。
同じ内容でも、直属の上司が言うよりも、第三者から伝えてもらったほうが、届きやすい場合があります。
結局、最後に詰まるのは、マネジメント、つまり人の問題です。
今までのスタイルを変えていく過程で、
オセロの四隅を取るように、社長が変わり、幹部が一人、また一人とイメージを持てるようになると、
組織は加速度的に仕組み化が浸透していきます。
なぜなら、仕組み化によって楽になるのは、兼任が多かった幹部人材にとっても、大きなプラスの変化だと気づくからです。
外部委託にもリスクはある
要点:部分最適のままコンサルを入れることは、もったいない結果につながります。
外部委託にも、注意すべき点はあります。
部分最適な発想のまま、コンサルを導入することは、あまりおすすめできません。
もちろん、外部の意見を取り入れる、変化を好む土壌をつくる、という良い面はあります。
もう一つのリスクとして、レスポンスが極端に遅い、という点も挙げられます。
外部に頼む以上、進行のスピード感が、自社の意思と噛み合っているかどうかは、確認しておくべき点です。
自力か外部か、判断の分かれ目
要点:利益が出ている状態であれば、外部の力を借りて自社を一気に進める価値があります。
利益が出ている状態の会社であれば、外部の力を借りて、自社を一気に前に進めることをおすすめします。
自力で5年かかること、下手をすれば一生たどり着けない視座や視点を、外部の力は授けてくれます。
「自分でやれば、役員報酬をもう少し取れるのに」と考えているうちは、外部よりも自力を選びがちです。
この考え方自体は自然なことですが、時間という最大のコストを見落としている場合があります。
もう一つ、率直にお伝えしたいことがあります。
55歳を過ぎてからの仕組み化は、体力的にも精神的にも、苦労が増えます。
できることなら、早い段階から着手しておくほうが、後の負担は軽くなります。
自社にとって、どちらが「コスパが良い」のか
自力か外部かは、単純な費用の比較では判断できません。
自力で進める場合、費用は抑えられますが、時間という最大のコストがかかります。
しかも、その時間をかけても、最後のニュアンスまで自力でつかむのは簡単ではありません。
外部に頼む場合、費用はかかりますが、ゴールが見え、幹部人材の意識も変わりやすくなります。
株式会社バリュー経営では、
経営の仕組み化を「計画化・明文化・組織化・定例化」という4つの段階で捉えていますが、
最初の「計画化」の段階こそ、自力と外部の差が最も大きく出る部分です。
こんな状態なら、相談を検討すべき目安
以下に複数当てはまる場合、一度、外部の視点を取り入れることを検討してみてください。
・自力で経営計画や組織図を作ってみたが、資料は増えても実行段階に進めていない
・利益は出ているが、次の一手をどう進めるべきか判断がつかない
・幹部人材との意識のズレを、自分の言葉だけでは埋めきれずにいる
・仕組み化に着手したいが、年齢的なリミットを意識し始めている
よくある質問
Q. 自力で仕組み化を進めることは、可能ですか。 A. 不可能ではありません。しかし、理論を理解することと、実践で再現できることの間には、大きなギャップがあります。特に組織図や経営計画の作成は、初見で完成度の高いものに仕上げるのは容易ではありません。
Q. 外部委託と自力、どちらがコスパが良いですか。 A. 費用だけで比較すると自力に見えますが、社長自身の時間というコストを含めて考えると、外部委託のほうが結果的に早く、精度高く進むケースが多くあります。
Q. 外部に頼む場合、どんな点に注意すべきですか。 A. 部分最適な発想のまま導入しないこと、レスポンスの速さが自社の求めるスピード感と合っているかを確認することが重要です。
Q. 何歳までに仕組み化に着手すべきですか。 A. 明確な期限はありませんが、55歳を過ぎてからの仕組み化は、体力的にも精神的にも負担が大きくなる傾向があります。できるだけ早い段階から着手することをおすすめします。
Q. 利益が出ていない状態でも、外部に頼むべきですか。 A. 利益が出ている状態であれば、外部の力を借りて一気に前進する価値があります。利益が出ていない場合は、まず現状の課題を整理してから、投資判断をすることをおすすめします。
■まとめ
自力での仕組み化は、費用を抑えられる一方、
社長自身の時間という大きなコストがかかります。
理論を理解することと、実践で使いこなすことの間には、
簡単には越えられないギャップがあります。
外部の力を借りることで、ゴールが見え、幹部人材の意識も変わりやすくなります。
利益が出ている状態であれば、外部の力を借りて自社を前に進める価値があります。
自社の状況を踏まえて、どちらの選択が合っているか、一度整理してみることをおすすめします。
「仕組み化」で会社を変える。
経営者の自由と、組織の自立を届ける。
「社長がいなくても回り、利益が残り、社員が自立する会社へ」
株式会社バリュー経営 山縣正二郎
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