経営を学ぼうとして、セミナーを渡り歩いていませんか。
全体最適から部分最適へ進める、経営の「素因数分解」という考え方を解説します。
2017年、桐生選手が、日本人で初めて100mで10秒を切りました。
ちょうどそのころ、私自身の会社は社員数が80名を超え、「このままだとまずいな」と感じ始めていた時期でした。
時を同じくして、一つの事業で3期連続の赤字が出ていました。多少の時間の前後はあるかと思いますが、ほぼそのころだったと思います。
その優勝インタビューが、今でも強く印象に残っています。
「100mは、普段から10秒を切るんでしょうか?」という質問に対して、「日頃は100mを全力疾走しないので、分からない」というようなニュアンスの回答をされていました。
結論から言えば、
この言葉をきっかけに、経営そのものを「分解」して学ぶという発想に行き着きました。
まずは、そのときに何を感じたのかを整理していきたいと思います。
結論:経営も、分野ごとに分解して学ぶ必要がある
桐生選手のインタビューを聞いて、感じたことがあります。
おそらく、スタートの練習、中間走の練習、ゴールでスピードが落ちない練習。
そして基礎練習、筋力トレーニング、メンタル、食事。
これらは、それぞれ独立した練習として、日々分解されて行われているのではないか、ということです。
サッカーも、野球も、陸上も、バレーボールも、あらゆる競技において、練習は日々分解されて行われます。
そして、その積み重ねを持って、試合に臨みます。
この構造を見たとき、
「経営も、分野別のプロをそれぞれつけていくのが良いのではないか」と思いました。
自分なりに、経営を素因数分解して大項目に分け、個別のプロについて習っていったのは、このときの気づきがきっかけです。
なぜ、経営は「毎日が試合」になってしまうのか
スポーツの世界では、練習と試合は、明確に分かれています。
基礎練習を積み重ね、その成果を持って試合に臨む。この構造が、当たり前のものとしてあります。
しかし、経営になると、この構造がまったく違ってきます。
良いか悪いかは別として、経営においては、毎日が試合の連続になるのです。
練習だけをして、準備が整ってから本番に臨む、という猶予はありません。日々の判断そのものが、常に本番であり続けます。
だからこそ、分野ごとに分解して学ぶという発想が、なおさら重要になってくると感じています。
部分最適に走ってしまう、もう一つの問題
経営を学ぼうと思ったとき、多くの経営者が陥りやすい罠があります。
新規顧客が少ないから、集客セミナーに参加する。
採用が足りないから、採用セミナーに参加する。
当然、これは時間と予算、そして直近の課題という制約の中で、自然に起きることでもあります。
しかし、この「部分最適」を積み重ねていくと、経営全体としては、ちぐはぐな仕上がりになってしまうことがあります。
車の改造で例えると
車を改造していく場面を想像してみてください。
お店に行って、「ハンドルを変えよう」「ホイールを変えよう」「ブレーキは効きが良いものにしよう」と、個別に良さそうなものを選んでいく。
そうして仕上がった車の改造は、全体としてちぐはぐなものになりがちです。これは、多くの人が直感的に理解できることだと思います。
住宅設計で例えると
住宅の設計では、土地に拘り、日照に拘り、風の抜けに拘り、庭から住宅、外から中へと、3ヶ月から6ヶ月かけて全体を設計していきます。
それほど時間をかけて全体を設計するにもかかわらず、経営になった途端、部分最適で学び始め、さまざまなセミナーを渡り歩くようになってしまう。
この構造の違いに、あらためて気づかされます。
もし、子供の教育に予算を気にせず環境を用意できるとしたら
一つ、考えてみてほしいことがあります。
もし、子供に対して、予算を気にせず学べる環境をつくれるとしたら、どう考えるでしょうか。
勉強ができることが良い悪いという話ではなく、あくまで一つの思考実験です。
もし実現できるなら、世界中から科目別に、教えるのが上手で、人間的にも素敵な先生たちを、全教科分揃えることを考えると思います。
もちろん、海外の環境で学ぶという選択肢もあります。その場合も、環境、先生、友人たちを、可能な限り揃えてあげたいと思うはずです。
この観点で経営を見つめ直すと、
経営者が経営を素因数分解し、それぞれの分野のプロをつけて学んでいくことは、部活動で良い指導者に出会い、
普通の学校が急に強豪校へと変わっていくのと同じ構造だと、想像がつきます。
全体最適から、部分最適へ
とはいえ、これを経営者が実践しようとすると、時間と予算、そして分野別のプロを選別する目が必要になります。
だからこそ、私自身が時間とお金をかけて体系化し、実践の中で、33店舗、200名の規模まで、創業者として育ててきた実践知を含めた講座を、
一つの選択肢としてお伝えしたいと思っています。
私の講座では、全体最適から部分最適へという手順で進めていきます。
これまで参加してきたセミナーの一つひとつが、統合された形で位置づけ直され、全体の地図を見ながら次の一手を打っていく、軍師のような視座を持てるようになっていきます。
相談すべき目安:こんな状態なら講座を検討してみてください
自社の経営を、体系的に学び直したいと感じている方は、次のような状態に心当たりがあるかもしれません。
- これまで、集客や採用など、目の前の課題ごとにセミナーを渡り歩いてきた
- 学んだ内容が、経営全体としてどうつながるのか、実感が持てていない
- 経営を分野別に分解して学ぶという発想を、これまで持ったことがなかった
- 実践に基づいた、体系立った学びを求めている
これらに一つでも当てはまる場合、部分最適の学びを積み重ねるより、全体最適から部分最適へと進む講座で、経営全体の地図を持つことをおすすめします。
よくある質問
Q1. 経営を分解して学ぶには、まず何から始めればいいですか。 まずは、自社の経営を、どんな大項目に分けられるかを、大まかにでも書き出してみることから始めることをおすすめします。全体像を持たないまま個別の学びに走ると、部分最適に陥りやすくなります。
Q2. 集客や採用のセミナーに参加すること自体は、間違っていますか。 間違いではありません。ただし、それが経営全体のどの部分に位置づけられるのかを意識しないまま学び続けると、ちぐはぐな経営になりやすい、という点に注意が必要です。
Q3. 分野別のプロをつけるには、どのくらいの時間と予算が必要ですか。 分野の数や深さによって大きく異なります。だからこそ、まず全体像を描き、優先順位をつけて取り組むことが、時間と予算を有効に使う鍵になります。
Q4. 講座では、どんな順番で学んでいくのですか。 全体最適から部分最適へという手順です。まず経営全体の地図を持ち、そのうえで各分野を掘り下げていく流れになります。
Q5. 小規模な会社の経営者でも、この考え方は当てはまりますか。 当てはまります。規模の大小にかかわらず、経営を分解して全体像を持つという発想は、どの段階の経営者にとっても役立つ考え方です。
■まとめ
桐生選手が100mで10秒を切ったとき、そのインタビューをきっかけに、経営も分野ごとに分解して学ぶ必要があると気づきました。
スポーツが基礎練習を分解して積み重ねるように、経営もまた、分野別に分解して学ぶことができます。
ただし、部分最適に走ってしまうと、車の改造や住宅設計と同じように、全体としてちぐはぐな経営になってしまいます。
全体最適から部分最適へ。その手順を踏むことが、経営全体の地図を持ち、次の一手を見極める力につながります。
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