創業10年を超え、会社に「古さ」を感じることはありませんか。
マイナーチェンジとフルモデルチェンジという視点から、経営者自身の変化について考えます。
創業10年。 会社には、文化が定着してきたはずです。
でも、その定着と同時に、古いものも静かに定着していきます。
スリッパの汚れ、壁紙の削れ。 それらは、いつからか「景色の一部」になり、気にならなくなっていきます。事業によっては、店舗の外装や内装も、同じように古さを感じさせるようになります。
もちろん、古くなることで「味」が出てくる名店のような例もあります。 ただ、それは本当に稀なケースです。
結論から言えば、経営者自身にも、この「古さ」への対応が必要です。 まずは、その考え方を整理していきたいと思います。
結論:経営には「マイナーチェンジ」と「フルモデルチェンジ」のリズムが必要
車で考えると分かりやすいと思います。
- フルモデルチェンジ:9年から10年に一度
- マイナーチェンジ:3年に一度
このリズムを、経営者自身の思考にも当てはめて考えてみます。
日々のアップデートは、当然必要です。
しかし、それだけでは足りません。数年に一度は、大幅な修正が必要です。
そして、思考そのものを完全にリニューアルするようなタイミングも、フルモデルチェンジのように、周期的に訪れる必要があります。
なぜ、古さに気づかなくなるのか
創業年数が経つほど、古さに気づきにくくなる理由があります。
それは、文化やノウハウの積み上げそのものは、決して悪いものではないからです。 経験から得た知恵や、積み重ねてきた仕組みは、資産として活用すべきものです。むしろ、そこは変える必要がありません。
問題は、その資産と一緒に、本来アップデートすべきだった思考や仕組みまで、そのまま固定化してしまうことです。 慣れてしまうと、それが「古い」ということ自体に、気づけなくなっていきます。
自分自身に起きた、強制的な「モデルチェンジ」
正直に、自分自身の経験を振り返ってみます。
25歳で創業し、30歳で現場を離れました。
このとき、仕組みがないまま現場を抜けてしまったので、何をすればいいのか分からず、かなり苦労しました。
これは、自分の意志で選んだ変化ではありませんでした。
新規出店などの環境要因によって、役割が自動的に変わっていっただけです。
ただ、この強制的な変化が、社員教育や、遠隔から現場の売上向上に関わるという、新しい役割へのきっかけにもなりました。
37歳、3期赤字がきっかけで、経営を本気で学び直した
37歳のころ、ある一事業が3期連続の赤字になりました。 このとき、経営を本気で学ぼうと決意しました。
7年間で5000万円以上を投じ、多いときには経営の分野別のプロを、同時に7名つけて学びました。
これは、まさに自分にとっての「フルモデルチェンジ」だったと思います。
その結果、仕組み化が進み、46歳から次の準備を始め、48歳から経営支援事業をスタートしました。 もちろん、この過程でも、数年に一度のアップデートは続けてきています。
今すぐできる対策:強引にでも、変化を加える
新規事業を、自分が主軸となってギリギリ間に合うかどうかというタイミングで、さまざまな準備をしたことがあります。
「いつか、こんなことをやってみたい」と、頭と口だけで言っているのは、正直、楽です。
でも、実際にやってみないと、見えない部分があります。
だからこそ、動いてよかったと思っています。
強引な変化は、スポーツでも同じだと思います。
新しい技や考え方を体得しようとするとき、最後の最後のコツのような部分は、本やYouTubeだけでは理解しきれないことがあります。
だからこそ、最後は外部のプロの力を借りたほうがいいと、自分の経験から感じています。 もちろん、決断の最後は、いつも自分自身です。
仕組み化の考え方:マイナーチェンジとフルモデルチェンジを、意図的に使い分ける
日々のアップデートと、数年に一度の大きな刷新。 この2つを、意図的に使い分けることが、経営者自身にとっても重要です。
- マイナーチェンジ:日々の業務改善、小さな気づきの反映
- フルモデルチェンジ:数年に一度、思考や経営スタイルそのものを見直す機会
創業年数が経つほど、つまり社長自身の年齢が増えていくほど、このリズムを持つことが大切になります。 そして、そのリズムは、待っていても自然には訪れません。強引にでも、自分自身に変化を加える意志が必要です。
相談すべき目安:こんな状態なら専門家に相談を
自分自身のフルモデルチェンジを、一人で進めようとすると、次のような状態にある場合は、一度外部の視点を入れることをおすすめします。
- 創業から10年前後経ち、会社の文化ややり方に「古さ」を感じ始めている
- 日々のアップデートはしているが、大きな刷新をしばらくしていない
- 新しい挑戦をしたいと思いながら、頭の中だけで終わっている
- 自分一人の努力では、最後のコツの部分がつかめないと感じている
これらに一つでも当てはまる場合、自己流で抱え続けるより、実践知のある第三者と一緒に、自分自身のフルモデルチェンジを整理したほうが、着実に前へ進みやすくなります。
よくある質問
Q1. フルモデルチェンジは、必ず10年周期でなければいけませんか。 正確な周期に決まりはありません。あくまで一つの目安です。事業環境や自身の状況に応じて、9年から10年程度のスパンを意識することをおすすめします。
Q2. 文化やノウハウの積み上げは、変えなくていいのですか。 はい。積み上げてきた文化やノウハウそのものは、資産として活用すべきものです。変えるべきは、その資産と一緒に固定化してしまった、古い思考や仕組みの部分です。
Q3. 強制的な変化と、自分の意志による変化は、どちらが良いのですか。 どちらが良いというものではありません。強制的な変化も、結果的に新しい役割へのきっかけになることがあります。ただし、意志を持って変化に向き合うことで、より主体的に次のステージへ進めます。
Q4. 外部のプロに頼る前に、自分でできることはありますか。 もちろんあります。本やYouTubeなどで学べることも多くあります。ただし、最後の最後のコツのような部分は、独学だけでは理解しきれないことが多いため、その段階で外部の力を借りることをおすすめします。
Q5. 創業10年、年商3億円という規模でも、フルモデルチェンジは必要ですか。 必要です。事業の業種や規模を問わず、創業年数が経つほど、思考や経営スタイルの刷新が求められるタイミングは訪れます。
■まとめ
創業10年という節目は、
会社に文化が定着すると同時に、古いものも静かに定着していく時期です。
マイナーチェンジとフルモデルチェンジ、この2つのリズムを、経営者自身の思考にも意図的に取り入れることが大切です。
強引にでも、自分自身に変化を加える。
その最後のコツをつかむためには、外部のプロの力を借りることも、一つの選択肢です。決断の最後は、いつも自分自身にあります。
今からでも、遅くはありません。
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株式会社バリュー経営 山縣正二郎
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