幹部育成を、外部の研修会社に任せるべきか。それとも、社長自らが教えるべきか。
こう迷っている経営者は多いと思います。
結論から言うと、どちらか一方ではなく、
両方を役割分担して併用することで、育成の効果は大きく変わります。
この記事では、外部研修と社内研修を、どう組み合わせているのか、
実例とともにお伝えします。
幹部育成は、外部か内製かではなく「役割分担」で考える
幹部育成において、外部研修と社長自らが行う研修は、対立する選択肢ではありません。
それぞれに得意な役割があり、組み合わせることで、育成の効果が最大化されます。
まずは、実際にどう役割分担しているのかを見ていきます。
外部研修が担うもの 体系的な知識と、非日常のインパクト
外部研修が担っているのは、戦略を含む、長期的な未来と現在をつなぐ考え方や、各分野の体系的な知識です。
体系的に理解できた内容は、その後、社内で内製化していきます。
もう一つ、外部研修が持つ大きな役割があります。
それは、入社時など、
特にインパクトと丁寧さが必要な場面で発揮されます。
イメージとしては、100kmウォークや自衛隊体験研修のような、非日常の空間です。
日常とは違う環境と、その道のプロから直接学ぶ経験は、社内では再現しにくいものです。
社内研修が担うもの キャリアとマインド、そして社長自身の関与
社内研修が担っているのは、キャリアアップに関係する研修と、マインドの育成です。
その中でも、事業統括クラスへ向かう人材への研修は、社長自身が直接行っています。
頻度は月1回程度、形式は1対1、もしくは1対2です。内容や、対象となる階層によって、形を変えています。
どちらか一方だけでは足りない理由
同じ内容であっても、他人から言われたほうが、
本人の中にすっと入る場合があります。
社内に研修制度や仕組みがある場合、重要になるのは、
研修を受ける側が、どれだけ自分事として受け止められているか、
感情と課題を分離できているかです。
そして、それは、教える側との関係性や、その人の話が本人に入っていくかどうかによっても、変わってきます。
この見極めは、社長自身が客観的に判断すべき部分です。
社長が直接話しても入らないことが、
外部から言われることで、ストンと腑に落ちる。
こうした場面を、実際に何度も見てきました。
逆に、外部から一方的に伝えるだけでは、日々のキャリアやマインドの積み重ねまでは、なかなか届きません。
だからこそ、両方が必要になります。
中小企業は、まず内製化から挑戦してよい
中小企業の場合、予算には限りがあります。
そのため、最初は内製化から挑戦することをおすすめします。
ただし、まったく研修の経験がなく、何をすればいいのか分からない場合は、まず社長自身が外部の研修を受けに行くという方法があります。
そこでニュアンスややり方をつかみ、社内での実践に応用していきます。
完成度が50%であっても構いません。
まずやってみないと、育成の仕組みは始まりません。
外部と内製の併用は、仕組み化の一部として設計する
外部研修と社内研修の役割分担は、思いつきで決めるものではなく、あらかじめ設計しておくべきものです。
株式会社バリュー経営では、
経営の仕組み化を「計画化・明文化・組織化・定例化」という4つの段階で捉えていますが、
幹部育成における外部と内製の組み合わせも、
この計画化の段階で設計しておくことが重要です。
・外部研修:体系的な知識、非日常のインパクトが必要な場面
・社内研修:キャリアとマインドの育成、日常的な積み重ね
・社長自身の関与:事業統括クラスへ向かう人材への、直接的な関わり
この役割分担を意識するだけで、育成の効果は大きく変わります。
こんな状態なら、相談を検討すべき目安
以下に複数当てはまる場合、自社だけでの整理には限界が来ている可能性があります。
・外部研修と社内育成、どちらに頼るべきか迷っている
・自分自身が育成にどこまで関わるべきか、判断がつかない
・研修の頻度や期間の目安が分からない
・社内で研修を試みたが、内容が本人に届いている実感がない
一つでも心当たりがあれば、
一度、外部の視点で現状を整理してみることをおすすめします。
よくある質問
Q. 幹部育成は、外部研修と社内研修、どちらを優先すべきですか。 A. どちらか一方を優先するのではなく、役割分担として捉えることをおすすめします。体系的な知識やインパクトが必要な場面は外部、キャリアとマインドの積み重ねは社内、という組み合わせが現実的です。
Q. 中小企業でも、外部研修は必要ですか。 A. 予算に限りがある場合は、まず内製化から始めて問題ありません。ただし、研修の経験がまったくない場合は、社長自身が外部研修を体験してから、社内に応用する方法もあります。
Q. 社長自身が研修を行う場合、どんな頻度・形式が目安になりますか。 A. 月1回程度、1対1、また11対2という形式が一つの目安です。対象となる階層や内容によって、形を調整していくことをおすすめします。
Q. 同じ内容を教えても、社員に響かないことがあります。なぜでしょうか。 A. 教える側との関係性や、本人がどれだけ自分事として受け止めているかによって、響き方は変わります。時には、社長自身より、外部からの言葉のほうがすっと入ることもあります。
Q. 研修の完成度が低くても、始めてよいのでしょうか。 A. 問題ありません。完成度が50%であっても、まず始めてみることが重要です。試行錯誤の中で、内容は磨かれていきます。
■まとめ
幹部育成は、外部研修か社内研修か、どちらか一方を選ぶものではありません。
外部研修は体系的な知識と非日常のインパクトを、社内研修はキャリアとマインドの積み重ねを担います。
同じ内容でも、誰が伝えるかによって、本人の受け止め方は変わります。
予算に限りがある中小企業でも、まず内製化から挑戦し、必要に応じて外部を取り入れていくことで、育成の仕組みは動き始めます。
「仕組み化」で会社を変える。 経営者の自由と、組織の自立を届ける。 「社長がいなくても回り、利益が残り、社員が自立する会社へ」
株式会社バリュー経営 山縣正二郎
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