ミッション、ビジョン、バリュー。
中でもバリューは、言葉にするのに最も時間がかかる要素です。
中小企業経営者に向けて、バリューの意味と、言語化を進める現実的な方法を解説します。
「うちの会社のバリューは何ですか」
そう聞かれて、すぐに言葉が出てくる経営者は、意外と多くありません。
ミッションやビジョンに比べて、バリューは、なぜか言葉にしづらい。
そう感じたことがある方は、少なくないはずです。
私自身、自社の価値を言葉にするまでに、非常に長い時間がかかりました。
本記事では、バリューとは何か、そして、それをどう言葉にしていけばよいのかを整理します。
結論:バリューとは、自社が他社と比べて大切にしている「価値」そのもの
バリュー(Value)とは、直訳すれば「価値」です。
会社経営で考えれば、
ミッション、ビジョン、バリューという3つの要素の一つに位置づけられます。
- ミッション:会社が果たすべき使命
- ビジョン:会社が目指す将来の姿
- バリュー:そこに向かうための、日々の価値観や行動指針
ここでいう「価値」とは、単に会社が大切にしていることというだけでなく、他社と比較したときに、自社ならではだと言える部分を指します。
つまりバリューとは、「なぜ、他社ではなく自社なのか」という問いに対する、一つの答えでもあります。
なぜ、バリューは言葉にしづらいのか
多くの経営者にとってバリューが言葉にしづらい理由は、それが「当たり前すぎる」からです。 ミッションやビジョンは、これから目指す先の話であるため、比較的、意識的に考えやすいもの、一方でバリューは、すでに日々の中で自然に実践していることが多く、あらためて言葉にする機会がなければ、意識にのぼりにくいという性質があります。
私自身も、自社の価値を言葉にするまでに、非常に時間がかかりました。
「うちの会社らしさとは、何だろう」
そう考え始めても、最初は、なかなか言葉が出てきませんでした。
自社の価値を言葉にするまでにしたこと
私が実際に行ったのは、創業時からのこだわり、文化、スタンスといったものを、一つひとつ書き出していく作業でした。
- 創業のとき、何を大切にしようと決めていたか
- これまで、どんな判断を優先してきたか
- 社内で、当たり前のように大切にされてきた考え方は何か
こうした問いに思いつく限り答えを書き出していくことで、
ようやく自社の価値を言葉にすることができました。
最初から完璧を目指さない、という考え方
ここで、もう一つ大切な視点があります。
それは、最初から完璧なバリューを作ろうとしないことです。
言葉にする作業は、突き詰めようとすると、きりがありません。
考えれば考えるほど、「これで本当にいいのか」という迷いが出てきます。
だからこそ、最初に作る際には、ある程度の納得感で、一旦完成させることが重要です。
そのうえで、年々ブラッシュアップさせていくことで、完成度を高めていく。
これが、私が実際にたどってきたプロセスです。
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バリューを言語化することの、経営における意味
バリューを言語化することは、単なる理念づくりにとどまりません。
言語化されたバリューは、社員が判断に迷ったときの拠り所になり採用や評価の基準にもなっていきます。
また、他社との違いを、社内外に説明できる言葉を持つことにもつながります。
社長依存から脱却し、組織が自ら動く状態をつくっていくうえでも、この「言葉にされた価値観」は、重要な土台になります。
これは、幹部育成や権限委譲、経営計画の実行といった、他の経営課題とも深くつながっている取り組みです。
言語化に取り組むべき目安
以下に複数当てはまる場合は、
バリューの言語化に、あらためて取り組んでみる時期かもしれません。
- 「うちの会社らしさとは何か」と聞かれて、すぐに答えられない
- 社員によって、大切にしていることの認識にズレがある
- 採用や評価の基準が、感覚的なものにとどまっている
- 他社との違いを、明確な言葉で説明できていない
よくある質問
Q. バリューは、ミッションやビジョンより先に決めるべきですか。 A. 決まった順序があるわけではありません。すでに実践している価値観から言語化しやすい場合もあれば、ミッションやビジョンを先に整理してから、バリューが見えてくる場合もあります。
Q. バリューの言語化には、どのくらいの時間がかかりますか。 A. 会社によって差がありますが、最初の言語化だけでも、数週間から数ヶ月かかることは珍しくありません。そこから年々ブラッシュアップしていくものと捉えるのが現実的です。
Q. 小規模な会社でも、バリューを言語化する意味はありますか。 A. あります。むしろ社員数が少ないうちに言語化しておくことで、組織が拡大する際にも、価値観がぶれにくくなります。
Q. バリューを言語化しても、社員に浸透しない場合はどうすればよいですか。 A. 言語化して終わりにせず、日々の会議や評価の場面で繰り返し触れることが重要です。一度伝えただけでは、なかなか浸透しません。
Q. 完璧なバリューでなくても、公開してよいのでしょうか。 A. 問題ありません。最初から完璧を目指すより、ある程度の納得感でまず言葉にし、運用しながら磨いていく方が、現実的で継続しやすい進め方です。
まとめ
バリューとは、自社が他社と比べて大切にしている「価値」そのものです。
当たり前すぎて言葉にしづらいからこそ、創業時からのこだわりや文化を丁寧に書き出す作業が必要になります。
最初から完璧を目指さず、まずは一旦完成させ、そこから年々ブラッシュアップしていく。
この進め方が、バリューを言語化するための、現実的な第一歩になります。
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