「うちは営業がすべて」「間接部門は稼いでいない」 そう考えて、営業以外の人員をできるだけ削ぎ落とし、シンプルな組織で会社を回してきた経営者は少なくありません。
しかし、組織が一定の規模を超えると、営業だけに頼った体制ではむしろ成長の足かせになる場面が出てきます。
本記事では、営業偏重の組織(ライン型)から、間接部門を持つ組織(ライン&スタッフ型)へと転換した会社の事例をもとに、その変化がなぜ売上の成長につながったのかを整理します。
結論:間接部門は「コスト」ではなく「営業の生産性を最大化する装置」
結論から言えば、間接部門を持つことは、単なるコスト増ではありません。 営業担当者が営業に専念できる環境を整えることで、組織全体としての営業力を最大化する役割を果たします。
営業担当者が見積作成、事務処理、採用対応まで兼務している状態では、本来の営業活動に使える時間は限られてしまいます。 間接部門がこれらの業務を引き受けることで、営業は本来の商談や顧客対応に集中できるようになります。
事例:間接部門を置いたことで、営業の生産性が変わった会社
ある会社では、創業から長年、営業担当者がすべての業務(見積作成、契約書類の準備、請求対応、採用面接の日程調整まで)を一人でこなしていました。 「間接部門を置く余裕はない」という考えのもと、できる限り営業以外の人員を増やさない方針を貫いていました。
しかし、案件数が増えるにつれ、営業担当者が事務作業に忙殺され、本来注力すべき商談や新規開拓の時間が削られていることが明らかになりました。
そこで、見積作成や事務処理を担う間接部門を新たに設置したところ、営業担当者一人あたりが商談に使える時間が大幅に増加し、結果として売上が数年で大きく伸びる成果につながりました。 間接部門は「稼がない部署」ではなく、「稼ぐための時間を生み出す部署」だったのです。
なぜ、営業偏重の組織は成長の壁にぶつかるのか
営業力に、頼りすぎている
営業担当者個人のスキルや頑張りに依存した組織は、営業担当者が増えない限り、売上の伸びにも限界が生まれます。
組織拡大時の、課題が表面化する
会社が成長し案件数が増えると、営業担当者が兼務していた事務作業の負荷も比例して増え、営業活動そのものを圧迫し始めます。
間接部門の必要性が、分からない
「間接部門は数字を稼がない」という発想が強いと、営業担当者の時間をどれだけ事務作業が奪っているかという視点が見えにくくなります。
ライン型からライン&スタッフ型へ移行するステップ
いきなり大きな組織改編をしなくても、次のようなステップから始められます。
- 営業担当者が担っている業務のうち、営業活動そのものと、それ以外の業務を分けて洗い出す
- 営業以外の業務にどれだけの時間が使われているかを、具体的に把握する
- 負荷の大きい業務から、間接部門または専任の担当者に移していく
- 間接部門を置いた後の、営業の商談時間や成約率の変化を追跡する
すべての業務を一気に移す必要はなく、影響の大きい業務から段階的に着手することが現実的です。
まずは自社の状況を客観的に整理したい方へ。 株式会社バリュー経営では、組織構造の段階的な進化について無料相談会をご案内しています。
仕組み化・組織改善の考え方
組織構造の転換は、規模の拡大にあわせて段階的に進めるべきものです。
組織構造の段階的進化モデルの考え方に基づき、現在の事業規模に対して営業偏重の体制が限界を迎えているかどうかを見極め、適切なタイミングで間接部門を組み込んでいくことが、持続的な成長につながります。
こんな状態になったら、相談を検討すべき目安
以下に複数当てはまる場合は、自社だけでの改善に限界が来ている可能性があります。
- 営業担当者が、事務作業に多くの時間を取られている
- 案件数が増えているのに、営業の生産性が上がっていない
- 間接部門を置くべきか判断がつかず、先送りにしている
- 組織が拡大局面にあるのに、体制がそれに追いついていない
よくある質問
Q. 間接部門は、どのくらいの事業規模から検討すべきですか。 A. 明確な基準はありませんが、営業担当者が事務作業に多くの時間を取られていると感じ始めた段階が、検討を始める一つの目安になります。
Q. 間接部門を置くと、コストが増えるだけではないですか。 A. 短期的にはコスト増に見えますが、営業の生産性向上によって、中長期的には売上の増加という形で回収されるケースが多く見られます。
Q. どの業務から間接部門に移すべきですか。 A. まずは営業担当者の時間を最も奪っている業務(見積作成や事務処理など)から着手するのが効果的です。
Q. 間接部門を置く効果は、どのくらいの期間で実感できますか。 A. 業務移管自体は数ヶ月で着手できますが、営業の生産性向上が売上として表れるまでは、半年から1年程度を見込む必要があります。
Q. 小規模な会社でも、この考え方は当てはまりますか。 A. 当てはまります。専任の間接部門を置くことが難しい規模であっても、営業以外の業務を誰が担うかを明確にするだけでも、効果が期待できます。
まとめ
営業偏重の組織が成長の壁にぶつかるのは、営業担当者の時間が事務作業に奪われ、本来の営業活動に集中できていないことが一因です。
営業以外の業務を洗い出し、負荷の大きいものから間接部門に移し、効果を追跡する。 この積み重ねが、ライン型からライン&スタッフ型への転換と、持続的な売上成長につながります。
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