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「自走する会社」「組織」「スタッフ」は全く違う話

「自走」という言葉は3つのレイヤーが混在しています。会社の仕組み、組織のマネジメント、個人の育成—これらは対象も手法も全く異なります。経営者が最初に整えるべき「箱」とは何か。


「自走する会社」「自走する組織」「自走するスタッフ」は、全く違う話

「自走する会社を作りたい」

これは、僕が経営の相談を受けるとき、一番よく使う言葉だ。 でも、この「自走」という言葉、実はまったく違う3つのレイヤーが、ひとまとめに語られてしまっていることが多いと、最近つくづく思う。

 

3つの「自走」は、レイヤーがまったく違う

言葉だけを見ると、似たようなことを言っているように聞こえる。

でも、この3つは、扱っている対象も、必要なアプローチも、まったく別物だ。

自走する会社は、仕組みの話だ。 社長がいなくても、決定権が整理されていて、業務プロセスが標準化されていて、数字が回り続ける。会社という「箱」そのものが、自走できる構造になっているかどうか。これは、仕組みで解決できる領域だ。

自走する組織づくりは、マネジメントと研修体系の話だ。 幹部が育ち、部門間の連携が機能し、意思決定の階層が正しく設計されている。これは、人と人との関係性や、育成のプロセスを設計する領域になる。

自走するスタッフを育てる仕組みは、もっと個別の話だ。 一人ひとりの社員が、指示を待たずに自分で考え、行動できるようになる。これは、個人の成長や、モチベーション、その人固有の特性に踏み込んでいく領域になる。

会社、組織、個人。 3つとも「自走」という言葉で語られがちだけど、対象のスケールがまったく違う。

 

100%は無理でも、80%、60%なら現実的

もう一つ、僕が最近よく考えているのが、自走の「度合い」だ。

全員が100%自走する組織なんて、正直、現実的じゃない。 だったら、80%の自走を目指す。 それも難しければ、まずは60%の自走から始める。

そのくらいの解像度で捉えた方が、現実の組織づくりには合っている気がしている。

全員が100%自走することを求めすぎると、そこに届かない人を「できていない人」として見てしまいがちになる。

でも、60%自走できているなら、それは十分に大きな進歩だ。

自走の度合いをグラデーションで捉えることで、経営者側の焦りも、社員側のプレッシャーも、両方が少し軽くなる。そんな気がしている。

 

僕が「自走する会社づくり」という言葉を使う理由 こうして整理してみると、

「自走する組織づくり」や「自走するスタッフの育成」も、もちろん大切なテーマだ。

でも、私が提案するとき、意識的に「自走する会社づくり」という言葉を、一番多く使っている。

 

理由はシンプルで、まず整えるべきは「箱」の方だと思っているからだ。

 

組織づくりや、個人の育成は、時間もかかるし、相手のあることでもある。

 

でも、会社という箱が、仕組みとして自走できる状態になっていなければ、その上にどれだけ良い組織づくりや育成を積み上げても、土台がぐらついたままになる。

だからこそ、まず「会社」というレイヤーから、仕組みとして自走できる状態を作ることを、一番大切にしている。 組織づくりも、スタッフ育成も、その先にある話だと思っている。

 

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