年商1億円を超えても、社長の報酬が思うように増えてない。
兼任だらけの働き方から抜け出す考え方を解説します。
年商1億円という規模まで、会社を育ててきました。
社員も増え、事業としての体裁も整ってきた一方で、「思ったより、自分の報酬が増えていない」と感じていないでしょうか。
営業もやる、採用面接もやる、経理のチェックもやる、クレーム対応もやる。 気づけば、何足ものわらじを履いたまま、日々をこなし続けている。
そんな状態が、当たり前になっていないでしょうか。
結論から言えば、
年商1億円の壁は「社長が兼任することで、なんとか利益を生み出している構造」から抜け出せていないことに原因があります。
まずは、何が起きているのかを整理していきましょう。
結論:年商1億円の壁は、「兼任で支える利益構造」を見直すことで越えられる
年商5000万円前後までは社長が何役もこなすことで、なんとか事業を回せる規模です。
しかし、年商1億円という節目では、
その「なんとか回っている」状態が、実は社長自身の報酬を圧迫する構造になっていることが多く見られます。
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社長が兼任している業務の分だけ、本来支払うべき人件費が見えなくなっている
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利益が出ているように見えても、社長の労働力を「タダ」で投入し続けている
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報酬を決める基準が、その時の資金繰りの都合に左右されている
この状態から抜け出すには、
「兼任している業務にも、本来コストがかかっている」という前提に立ち直すことが必要です。
なぜ、年商1億円で報酬が増えないのか
年商1億円前後で、社長の報酬が増えない背景には、いくつかの共通した理由があります。
原因1:兼任している業務のコストが、見える化されていない
社長が営業も採用も経理チェックも担っていると、その分の人件費は「社長の頑張り」として無償化され、利益の計算に正しく反映されません。
原因2:利益が出ても、優先的に事業へ再投資してしまう
「まだ会社の体力が弱いから」という理由で、利益が出るたびに、設備や採用へ優先的に回し、自分の報酬は後回しにされ続けます。
原因3:報酬を決める基準が、そもそもない
「今月は余裕があるから多めに」「今月は厳しいから少なめに」という、その場の資金繰りに左右された報酬の決め方が続いています。
年商1億円という規模は、
社長が何役もこなすことで事業が成り立っている一方で、その働きに見合った報酬設計が、まだ整っていない過渡期にあたります。
この状態を放置すると、何が起きるか
兼任で支える利益構造のまま事業を続けると、次のような状態が起こりやすくなります。
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社長自身が、体力的にも精神的にも限界に近づいていく:何役もこなし続ける状態は、長く続けられるものではありません。
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利益の実態が、正しく把握できなくなる:社長の労働力が無償で計算されている限り、本当の意味での利益率が見えないままになります。
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兼任の構造が、そのまま次の世代にも引き継がれる:報酬や役割分担の基準がないまま会社が成長すると、後継者や幹部にも、同じ無理な働き方を強いることになります。
年商1億円の壁を越えられないまま、社長が疲弊しながら会社を回し続けているケースは、決して珍しくありません。
多くの場合、この兼任構造に、正面から向き合えていないことが背景にあります。
今すぐできる対策:「兼任している業務」を棚卸しする
いきなりすべての兼任を解消する必要はありません。
まずは、現状を正しく把握することから始めます。
兼任業務を、すべて書き出してみる
社長が担っている業務を、営業、採用、経理チェック、クレーム対応など、思いつく限りすべて書き出します。
1つの業務に、仮の人件費をつけてみる
書き出した業務の一つひとつに
「もし人を雇うとしたら、いくらかかるか」を、仮でいいので当てはめてみます。この作業だけで、見えていなかったコストの大きさに気づけます。
役員報酬を決める基準を、言葉にしてみる
「なぜ、この金額なのか」を、自分自身に説明できる形で、一度整理してみます。完璧な基準である必要はありません。
小さな棚卸しの積み重ねが、兼任構造から抜け出すための出発点になります。
仕組み化の考え方:「兼任の解消」を、計画として持つ
棚卸しができたら、それを一時的な気づきで終わらせず、兼任を段階的に解消していく計画へと発展させていく段階に移ります。
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優先度の高い兼任業務から、外部委託や採用による切り出しを検討する
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役員報酬を、資金繰りの都合ではなく、あらかじめ決めた基準で運用する
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利益の一部を、社長の報酬改善に充てる計画を、経営計画の中に組み込む
ここで重要なのは、兼任の解消を「余裕ができたらやること」ではなく、「計画的に取り組むべき経営課題」として位置づけることです。
余裕ができるのを待っている限り、兼任の構造はいつまでも解消されません。
兼任構造の見直しは、
社長自身の消耗を防ぎ正しい利益体質をつくるための重要な出発点です。
相談すべき目安:こんな状態なら専門家に相談を
自社だけでこの構造を見直そうとすると、次のような状態にある場合は、一度外部の視点を入れることをおすすめします。
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何役もこなしているのに、自分の報酬がなかなか増えない
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兼任している業務のコストを、これまで数字で把握したことがない
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役員報酬を決める基準が、そのときどきの資金繰り任せになっている
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何年も、年商1億円前後で足踏みしていると感じる
これらに一つでも当てはまる場合、自己流で我慢を続けるより、
実践知のある第三者と一緒に、自社の利益構造と報酬設計を整理したほうが、着実にステップアップしやすくなります。
よくある質問
Q1. 年商1億円から、まず何に手をつけるべきですか。 兼任している業務の棚卸しから始めることをおすすめします。何にどれだけのコストがかかっているかが見えないと、次の判断がしづらくなります。
Q2. 兼任を解消するには、まず何を採用すべきですか。 すべてを一度に採用する必要はありません。最も負担の大きい業務、あるいは最も専門性を要さない業務から、切り出すことをおすすめします。
Q3. 役員報酬の基準は、どうやって作ればいいですか。 まずは、他社の同規模・同業種の役員報酬の相場感を参考にしながら、自社の利益水準とのバランスを考えることから始めてください。
Q4. 利益が出たら、報酬改善と事業への再投資、どちらを優先すべきですか。 どちらか一方に偏るのではなく、あらかじめ配分の比率を決めておくことをおすすめします。報酬改善を後回しにし続けると、社長自身の消耗につながります。
Q5. 年商1億円台の会社でも、報酬設計は早すぎませんか。 早すぎることはありません。むしろ、この規模のうちから基準を整えておくことが、その後の会社の成長にとっても重要な土台になります。
■まとめ
年商1億円を超えても報酬が増えないのは、
経営者の頑張りが足りないからではなく、「社長が兼任することで、なんとか利益を生み出している構造」から抜け出せていないことが原因です。
まずは、兼任している業務をすべて書き出し、仮の人件費をつけてみることから始めてください。
兼任の解消を余裕ができたらやることではなく、
計画的に取り組むべき経営課題として位置づけることで、社長自身の消耗を防ぎ、正しい利益体質をつくることができます。
年商1億円の壁を越えることは、社長の頑張りに頼った経営から、仕組みで利益を生む経営への転換点です。
「仕組み化」で会社を変える。
経営者の自由と、組織の自立を届ける。 「社長がいなくても回り、利益が残り、社員が自立する会社へ」
株式会社バリュー経営 山縣正二郎
最後に
「年商1億円の壁」は、あなただけのものではありません。
年商1億円という規模だからこそ抱える悩みに、真摯に向き合った経営者だけが、次のステージへ進めるんだと思います。
一人で抱えなくていい。まずは、話してみることから始めてもいいはずです。
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