立場が上がるほど、課題は大きく、幅広くなっていく。経営者や幹部候補に向けて、「覚悟」と「肝の据わり」という、2つの異なる資質について解説します。
覚悟があるか。肝が据わっているか。
似たような言葉に聞こえるかもしれませんが、この2つは、実はまったく別の資質です。
覚悟はあるが、肝は据わっていない人がいます。
肝は据わっているが、覚悟がない人もいます。
両方ある人もいれば、どちらもない人もいます。
課長、部長、本部長、社長と、立場が上がっていくほど、対応すべき課題は大きくなり、扱う分野も幅広くなっていきます。 その中で、この「覚悟」と「肝」という2つの資質を、意識的に区別できているでしょうか。
本記事では、その違いについて整理します。
結論:覚悟は「選択」できるが、肝は「資質」に左右される
結論から言えば、覚悟と肝は、その成り立ちがまったく異なります。
覚悟は、自分の選択によって持つことができるものです。
「この課題に向き合う」「この責任を引き受ける」という決意は、本人の意思次第で、いつでも選び取ることができます。
一方、肝の据わりは、資質的に持って生まれてくる要素が大きいものです。
物事に動じない胆力、緊張状態でも冷静さを保てる感覚
これは、意識して身につけようとしても、簡単には獲得できない性質を持っています。
もちろん、後天的に、とんでもない障壁を乗り越えてきた経験によって、肝が据わっていく人もいます。 しかし、それは誰にでも再現できるプロセスではありません。
4つの組み合わせで考える 覚悟と肝は、それぞれ独立した軸として捉えることができます。
- 覚悟があり、肝も据わっている
- 覚悟はあるが、肝は据わっていない
- 肝は据わっているが、覚悟がない
- どちらもない もちろん、両方を兼ね備えているに越したことはありません。
しかし、現実には、多くの人が、どちらか一方、あるいはどちらも十分ではない状態で、責任ある立場に立つことになります。
立場が上がるほど、この違いが問われる理由 課長から部長へ、部長から本部長へ
そして社長へ。 立場が上がっていくということは、対応すべき課題や問題が、より大きく、より幅広い分野に及んでいくことを意味します。
小さな課題であれば、覚悟だけでも、なんとか乗り越えられることがあります。
しかし、規模が大きく、予測のつかない状況が続く課題に直面したとき、肝の据わりがなければ、判断そのものが揺らいでしまうことがあります。
逆に、
肝が据わっていても、覚悟がなければ、そもそもその課題に本気で向き合おうとしません。 どれだけ動じない資質を持っていても、向き合う意思がなければ、その資質は発揮されないままです。
両方ない場合、せめて「覚悟」だけは持っておきたい 肝の据わりは、資質に左右される部分が大きいからこそ、努力だけでは簡単に手に入りません。
だからこそ、もし両方が十分でないと感じるなら、せめて「覚悟」だけは、意識的に持っておくべきだと思います。
覚悟は、自分の選択で持てるものです。 今この瞬間からでも、「この課題に向き合う」と決めることはできます。
肝の据わりが十分でなくても、覚悟を持って課題に向き合い続けることで、経験が積み重なり、結果として胆力が育っていくということも、十分にあり得ます。
覚悟と肝だけでは足りない、知識とスキルの重要性
ここまで、覚悟と肝という2つの資質について整理してきましたが、当然ながら、これだけで課題が解決するわけではありません。
実際に課題を解決するには、知識とスキルも必要です。
しかし、覚悟と肝は、その知識とスキルを使いこなすための、前提となる土台です。 どれだけ優れた知識やスキルを持っていても、覚悟がなければ、それを本気で発揮する場面で踏み出せません。 肝が据わっていなければ、いざというときに、冷静な判断ができません。
だからこそ、この2つは、知識やスキルを学ぶ以前に、まず自分自身が持っているのか、意識的に確認しておきたい要素です。
まずは自分自身のリーダーとしての資質を客観的に整理したい方へ
株式会社バリュー経営では、経営者・幹部育成における覚悟と資質の考え方について無料相談を承っています。
仕組み化・組織改善の考え方 幹部育成を進めるうえでも、この覚悟と肝という視点は重要です。 肝の据わりは、資質による部分が大きく、育成だけで簡単に身につくものではありません。
しかし、覚悟は、本人の選択によって育てることができます。
幹部候補に対しては、まず「覚悟を持って課題に向き合う」という選択を後押しし、その経験の積み重ねを通じて、結果的に胆力が育っていく環境を整えることが、現実的な育成のアプローチになります。
こんな状態になったら、相談を検討すべき目安 以下に複数当てはまる場合は、自分だけでの整理に限界が来ている可能性があります。
- 立場が上がるにつれて、課題への向き合い方に迷いを感じている
- 自分自身に、覚悟と肝、どちらが不足しているのか分からない
- 幹部候補の育成において、この2つの資質をどう見極めればよいか分からない
- 知識やスキルは学んでいるが、それを発揮する土台が弱いと感じる
よくある質問
Q. 肝の据わりは、まったく後天的に身につけられないのですか。A. 完全に不可能というわけではありません。大きな障壁を乗り越えた経験を通じて、肝が据わっていく人もいます。ただし、それは誰にでも再現できる確実な方法ではないため、資質的な要素が大きいと捉えることが現実的です。
Q. 覚悟だけがあって、肝がない状態で、大きな課題に立ち向かっても大丈夫ですか。A. 覚悟だけでも、課題に向き合い続けることは可能です。ただし、経験を積み重ねる中で、周囲のサポートや、知識・スキルの補強もあわせて行うことをおすすめします。
Q. 幹部候補を選ぶ際、覚悟と肝、どちらを重視すべきですか。A. 一概には言えませんが、覚悟は本人の意思次第で育てられる部分が大きいため、まずは覚悟を持って課題に向き合う姿勢を重視することが、現実的な選定基準になります。
Q. 自分に覚悟があるかどうか、どう確認すればよいですか。A. 目の前の課題に対して、「向き合う」という選択を、実際にできているかを振り返ることが有効です。覚悟は感覚ではなく、行動として現れるものです。
Q. 無料相談では、どのようなことが分かりますか。A. 自分自身、あるいは幹部候補の覚悟と肝の状態を整理し、育成やリーダーシップ発揮に向けた具体的な視点をお伝えします。
まとめ
覚悟は、自分の選択によって持つことができるものです。
一方、肝の据わりは、資質的な要素が大きく、簡単には身につきません。
立場が上がるほど、課題は大きく、幅広くなっていきます。
両方を兼ね備えているに越したことはありませんが、もしどちらも十分でないと感じるなら、せめて覚悟だけは、意識的に持っておきたいものです。
自分自身や幹部候補の覚悟と資質について整理したい方は、無料相談をご利用ください。
リーダーとしての土台づくりを、一緒に整理します。
